ヴァージン・スーサイズ
本格的にアートブックを展開し始めて、1年くらいが経ちました。洋服と同じように、いや、それ以上に自分が欲しいものだけをつまんでいるのですが、予想していたよりも興味を持ってくれる方が多く嬉しいですね。タカ、感激!
分からなくても買う事がすでにかっこいいと思っています。それが例え背伸びでも。買って満足してすぐに読まないものも多くありますが、数年後ふと読んだ時にスッと入ってくる感覚が、時々ある。難しい事は考えず、いいなと思うページが1ページでもあれば買うのをお勧めします。

今日は先日入荷したソフィア・コッポラの作品集「The Virgin Suicides」をご紹介します。本の序盤にソフィア・コッポラと本映画の原作者ジェフリー・ユージェニデスの書き下ろしテキストがあるんですが、ここではソフィア・コッポラのテキストを訳したものを書いておきます。少しでもワクワクして手に取ってくれたら幸いです。
FACE誌でコリーヌ・デイの写真を初めて見ました。メイクをせず、ビーチで遊ぶ子供のようなケイト・モスの姿でした。彼女の写真は、私が育った80年代のファッション像 – 肩パッドを入れた背の高い女の子たち、明るい照明、派手なメイクと大きなヘアスタイル – のような、煌びやかなものではありませんでした。私は、この飾らない華奢な女の子たちに親しみを感じました。そして、普通なら編集でカットされるような、合間の瞬間を捉えた写真を見るのが大好きでした。それらは演出されたものではなく、リアルでリラックした自然な雰囲気があり、それまでファッションの写真では見た事のないものでした。まるでその場にいて、彼女たちと知り合いだったかのような感覚になったのです。1999年、私が初めての映画『ヴァージン・スーサイズ』の制作を始めた時、コリーヌに、撮影現場で写真を撮ってくれないかと頼みました。メアリー・エレン・マークが『地獄の黙示録』の現場で写真を撮ったことを知っていたので、フォトグラファーに撮影をお願い出来ると知っていました。彼女が「いいよ」と言ってくれて、小さなカメラを持ってトロントの夏の撮影に来てくれた時は本当に嬉しかったです。彼女の穏やかで親しみやすい人柄にすぐに打ち解け、私たちは友情を育みました。今回、彼女のオリジナルネガの入った箱を見つけ、ここでその作品を紹介できることを心から嬉しく思います。
コリーヌ・デイ(1962-2010)に捧ぐ
ソフィア・コッポラ








