ROLF EKROTH INTERVIEW BY NIGHTHAWKS

January 7, 20241 Minute

新しい才能と出会う時はいつでも興奮する。これは僕がファッションを好きになった大学時代から仕事ととして関わるようになった今もそう。既に価値が認められているよりもまだ見ぬ原石にワクワクする性質。ワシが育てた言いたいやん?というのは冗談で、別に自分が目利きとはもちろん思ってないです。好きかどうか、かっこいいと感じたかどうかの初期衝動一発。

というわけで、今回新しくお取り扱いさせて頂くフィンランド発のブランド「ROLF EKROTH」。これまで「HAAL」「ION」に続き、3ブランド目のフィニッシュブランドです。初めて知ったのはコロナ禍だったので恐らくVOGUEとかで知ったと思うのですが、エッジの効いたLOOKと完成度の高い映像作品にノックアウト。これまで好きだった「LAITINEN」「Heikki Salonen」然り、ロンドンの若手デザイナーから感じられるようなアンダーグランドなエッジと洗練された北欧デザインが両立しているのがフィニッシュデザイナーの魅力と個人的に感じていて、上のデザイナーら同様ROLFからも同じ匂いがしたのが決め手。

日本初上陸かつ当店のみのお取り扱いという事で、恐る恐るインタビューなんてどうですか?と聞いてみると、快諾。という事で、人生初のメールインタビューを敢行しました。是非少しでもROLF EKROTHについて興味を持って頂ければ、こんなに嬉しいことはないっすなー。

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名称未設定 11 NIGHTHAWKS
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-まずはあなたのバックグラウンドを教えてください。

私はファッション業界ではいわゆる普通の経歴を持っていませんが、同時に、普通の経歴が何なのかもはやよく分かりません。高校卒業後、ソーシャルワークの勉強をしていましたが、自分に向いていない事がすぐに分かりました。その後、色々なセールスの仕事をしたり、ある時はポーカーのプロとして生計を立てていたりもしました。その後、20代になってから服作りに興味を持ち、アールト大学(フィンランド・ヘルシンキにあるスカンジナビア最大の芸術大学)を受験して、2回目で合格しました。

-今期のコレクションについて教えてください。

まず、かなり遅れて少額な予算が決まったこともあり、コレクションについてあまり考える余裕がありませんでした。ですので、自分の新しいワードローブを作る為に、ほとんどのピースを私自身が着たくなるコレクションとして制作したいと考えました。コレクションには確かにいくつかのテーマがあり、要約すると、私たちが生きている時代を反映しているのだと思います。それは氷河の融解や地球温暖化といった、色々な意味で困難な時代を指します。

-毎シーズンあなたが制作するグラフィックやボンバージャケットにとても魅了されます。何か思い入れはありますか?

ボンバージャケットは私にとってもブランドにとっても不可欠です。納得できるものを制作するのにはとても苦労しています。これまで毎シーズンうまくやってこれていますが、次のシーズンにはまた新しいものを作りたくなります。今回はこれまでで最も満足のいくものに近づけたと思います。完全なリバーシブル仕様で、袖のカッティングもとても気に入っています。通常、襟や袖口などにはポリエステル/コットンのリブが使われますが、ボディと共生地で製作したディテールもポイントです。使用された素材はRPETで、これはペットボトルをリサイクルしたものです。もうエキサイティングで革新的な素材とは思われていないかもしれませんが、それでも私はとても素晴らしい素材だと思っていますし、テキスタイルのクオリティも気に入っています。

-トーマス・ライティネンと関わりがあると聞いています。彼からの影響はありますか?

トーマス・ライティネンには、私がアールトで学んでいた時に大きな影響を受けました。全て彼のおかげだと思っていますし、アールト大学卒業後も彼がしてくれた全ての手助けにとても感謝しています。アールト大学の成功の背景には、トーマスの働きが大きく影響しています。もちろん他の先生やスタッフもいましたが、船を動かしていたのは間違いなくトーマスです。アールトで勉強している間、彼は私の知らない全く新しい世界を見せてくれました。また、彼の ‘ダーク’ なユーモアのセンスや正直な批評を受けることも楽しんでいました。

-個人的にフィンランド人デザイナーはアンダーグラウンドでありながら洗練された印象を受けます。フィンランドのファッションについてどう思いますか?

フィンランドにはとても豊かな才能の宝庫があり、それは主にトーマスとアールト大学のおかげだと思います。ここ10~12年の間、多くの才能あるデザイナーが卒業しましたが、ファッションの分野で発展途上にある国として考えるととても驚かされます。アールトの成功の黄金期は、彼らに出来るなら自分にも出来るというメンタリティにつながったと思います。

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